医療系志望ではあるけど、学部や学科が多く、どこに行くか迷っている受験生のみなさんも多くいると思います。そんな受験生のために、医療系のすべての学科・専攻の学生にインタビューをし、それぞれの魅力を明らかにしていきます!

医療系学部には何があるの?

医学部:医学部には、医師としての知識と技術を学ぶ医学科、生命現象の解明を通じて医学の基礎を支える生命科学科、そして看護学や医療技術の専門知識を身につける保健学科があり、それぞれが異なる視点から医学・医療にアプローチしています。

薬学部:薬学部は2つの学科に分かれます。創薬科学科は4年制で、研究者の育成を目指しています。臨床薬学科は6年制で、薬剤師国家試験の受験資格を取得することができます。

歯学部:全国で歯学部が設置されている国公立大学はなんと12校しかありません! 6年制で、歯科医師国家試験の受験資格を得られます。

キャンパスについて

 医療系学部の学生は、キャンパス移動があります! 1年次は伊都キャンパスで学び、2年次以降は九州大学病院が併設されている病院キャンパスで学びます。なので、1年次は伊都キャンパス付近に住み、2年次から博多に近い病院キャンパス付近に引っ越す人が多いです。キャンパス事情を知らずに最初から病院キャンパス付近に住んで通学が大変になっている人もいるので、家選びは早めによく調べましょう! 病院キャンパスは伊都キャンパスと比べて立地が良く、筆者が実際に行ったときも、最寄り駅からの近さに驚きました。サークルについては、キャンパス移動があるので、医歯薬系サークルに入る人も全学部サークルに入る人もいます。

医療系学部の魅力

 まず、「学んだことが人の命を直接助ける力になる」という点が大きな魅力です。他の学部では、理論や知識が中心になることも多いですが、医療系学部では「人の命」や「健康」という社会に直結したリアルな課題に取り組みます。さらに、その学部独自の資格が取得できることも魅力的です。学部を卒業することで受験資格を得られるものが多いです。また、研究も盛んです。実際、筆者が所属する薬学部では、臨床薬学科の学生(薬剤師コースの学生)も、実務実習等が始まる前の3年次に研究室に配属され、創薬科学科の学生と同じ環境で実験をします。

医療系学部ならではの大変な部分とは⁉

 テストが大変で忙しい、暗記系がとにかく多い、実習・研究・国試が大変という意見が多かったです。中には良くも悪くも人間関係の輪が狭いところが大変という意見もありました。必修授業が多く、2・3年になるとさらに忙しくなる印象です。

実際に各学部の学生にインタビューしてきました!

質問事項

1.今の学科を選んだ理由

2.その学科の魅力

3.将来の就職先

4.どういう人がその学科に向いていると思うか

医学部医学科

1.貧困により医療が身近にない人の力になりたいから

2.医療分野に詳しくなることで人々の健康に直結する仕事ができること

3.医者になる人が多く、自分は国際医療系NGO団体の一員になりたい

4.人の笑顔や健康が、自分の活動のモチベーションになる人

九大の医学科は、1年生のときに専攻教育が全くないことが特徴です。必修の科目が多く休みがないイメージがある医学科ですが、1年生は比較的休みが多く、興味のある他の学部の授業を受けたり、サークルやバイトに打ち込んだりすることができます。

医学部保健学科看護学専攻

1.元々医療系の仕事に興味があり、資格を取得したかったから

2.高度な医療が行われている九州大学病院で実習ができること

  看護師の資格以外に保健師の資格も取得できること

3.7~8割は九州大学病院に就職

  その他は別の病院に就職、保健師や助産師として病院や市役所、企業に就職する人も

4.看護師や保健師などに興味があり、資格を取得したい人

九大には、助産師・保健師を養成するコースや、海外の看護系大学への学生派遣があります。また、看護学の研究も盛んにおこなわれており、自分の視野を広げられる、様々な選択肢がそろっています。

医学部保健学科検査技術科学専攻

1.細かい作業が好きだったのと、学力的にもちょうどよかったから

2.学んだことを活かし、診断に必要な情報を医師に届ける重要な役割を担えること

3.病院

4.細かい手作業が得意で真面目な人!

就職先は、病院のほかにも検査センター、医療機器や試薬開発のメーカー、国公私立の研究機関など多岐にわたります。大学院に進学して、より専門性の高い臨床検査の実践者、研究者、教育者を目指す進路もあります。

医学部保健学科放射線技術科学専攻

1.医療系の国家資格を取りたかったから

2.放射線を使った珍しい実験ができること

3.病院就職

4.放射線に興味がある人、実験が好きな人

基礎放射科学講座と医用放射線科学講座の2つの講座があります。各講座には、それぞれの学会で中心的に活躍している教授たちがそろっています!

医学部生命科学科

1.日本で数少ない、医師免許を取らずとも医学の基礎研究者になれる学科だから

2.研究への意欲が高い学生が多く、早くから積極的に研究室を訪ねていること

  研究室側もそうした学生を歓迎しており、早期から研究に関われる環境が整っていること

3.アカデミア(大学の研究室や研究所など)に残ります

4.基礎と臨床の両方に興味がある人、狭く深いコミュニティが好きな人

3年生の前期まで医学科の学生と同じ講義を受けることができます。また研究も早期に始めることができます! 進級要件が厳しく授業も多いですが、思う存分研究できるので、しっかりと学ぶ覚悟のある人におすすめです。

薬学部創薬科学科

1.創薬研究に興味があり将来新薬開発に携わりたいと考えていたから

2.幅広い知識が得られ、興味のある実験や研究ができること

  研究の指導が手厚いこと

3.製薬会社、化粧品メーカー、公務員

4.諦めずに努力できる人

本当にたくさんの構造式とにらめっこすることになるので、有機化学が好きな人におすすめです。

薬学部臨床薬学科

1.中学生の頃から薬について興味があり、薬剤師や製薬企業就職を目指していたから

高校で有機化学を学んでさらに薬の構造や作用機序に興味が湧いたから

2.優秀な人や、やるべきことをしっかりできる人が周りに多いこと

  薬剤師資格のための勉強だけではなくて、学生実習などを通してしっかり研究・実験もできること

3.薬局薬剤師、病院薬剤師、企業(製薬企業、化粧品会社など)が多く、他には研究所や公務員など

4.薬に興味がある人、根気がある人

臨床薬学科は大学入試の際に面接があることがポイントです。筆記試験の対策とともに、面接の対策も入念に行っておきましょう。

歯学部歯学科

1.医療関係の仕事をしたかったから

2.将来、歯科医師となり口腔から全身の健康に貢献できること

3.大学病院、開業医院の勤務医、開業医

4.口腔に興味がある人・人の健康に携わりたい人

医歯薬合同の部活もありますが、歯学部生は学部内の部活に入る人が多く、学部全体でとても仲が良い印象です。

筆者の受験エピソード【オンライン限定記事】

 現在医学部、薬学部に所属する筆者が「志望理由」「受験生活で感じたこと・アドバイス」「併願校選びについて」「大学に入ってみて感じること」などを”リアル”に書いてみました!  

筆者(1年):医学部医学科

 私が医学部医学科を選んだのは、麻酔科医になって、いろんな手術に携わりたいと考えたからです。

もともとは、別の大学を志望していました。共通テストの点数は悪くはなかったですが、その大学の2次試験の対策を怠ったせいで、数学はなかなか完答できず、また、MMI面接(※さまざまな状況を想定した質問に、どのように対応するかを答える面接)という面接形式に自信を持てなかったため、面接に配点がなく、学校や塾で過去問を解いてきていた九大にしました。共通テスト前から、自分の志望している大学の傾向を調べて対策をしていくといいと思います。

 併願校としては、防衛医科大学を受験しました。共通テスト前に受験料無料で受けられるので、受験の雰囲気を感じられたり、自分の受験勉強の詰めの甘さがわかったりしていい経験になったと思います。

 入学後は、クラスで協力してテスト勉強会を開いたり、情報を共有したりと、みんなで試験対策に取り組んでおり、強い仲間意識を感じます。

筆者(1年):薬学部創薬科学科

 私は、化学生物が好きで薬の研究に興味があり、薬剤師になるよりも研究をしたかったため創薬科学科を選びました。

高校生のときは、理系の科目選択について迷いました。私は物理か生物で生物を選びましたが、生物を選ぶと理学部や工学部、九大医学部医学科など受験できない学部・学科が多いです。薬学部についても、東北大学や金沢大学などは二次試験で物理が必須となります。このように生物選択にはデメリットがありますが入学してからは授業で役に立ち、生物に関する薬学の研究内容が理解しやすいというメリットも感じます。どちらの科目にも良さがあるので、自分の興味や将来の進路をよく考えて科目を選ぶことが大切だと思います。

 都内に居住していましたが、親が福岡出身で九大卒だったので九大を受験しました。また私の場合は都内の私立薬学部を2校受験して、過去問もそれぞれ6年分ぐらい解き、特に化学を重点的に解くことを意識していました。共通テスト後は国立と私立の二つの勉強で大慌てでした。しかし、第一志望の国立大学を受ける前に他の大学で本番に向けた練習をしておくのは良いと思います。 

 薬学部に入ってからは、他の学部と比べて1年次から必修授業が多いですが、思ったより空いた時間が多いとも思います。周りの薬学部生は私と同じように九州以外の出身の人も多く驚きました。まだ専門的な知識はあまり学んでいないので、病院キャンパスに移ってから薬学を学ぶのが楽しみです!

筆者(1年):薬学部創薬科学科

 私が創薬科学科を選んだのは、新薬開発に興味があったからです。理学部の化学科や工学部の化学系でも製薬会社に入れると高校の先生には言われましたが、化学的ではなく、薬学的なアプローチから薬の開発に携わりたいと思ってこの学科に入りました。

 もともとは別の大学を志望していましたが、共通テストがそこまで高い点数ではなかったことと、二次試験の自信がなかったことから、志望校を変えることにしました。高校が北海道なので北大が真っ先に候補にあがりましたが、前期試験では薬学部の学部別入試がないことから、北大と同じくらいの難易度で学部別の入試がある九大にしました。ただ、自分でいうのもなんですが、共通テスト後に志望校を下げるというのはあまりお勧めしません。というのも、二次試験の対策が不十分になったり、「志望校を下げた」ということでどうしても気の緩みが出てしまったりするからです。なので、もし志望校を下げようとするときには一週間くらいじっくり考えて、先生や親ともよく話し合ってから決断するといいと思います!

 併願校は、中期は静岡県立大の薬学部、後期では千葉大の理学部化学科に出願しました。私大は受かっても行く気がなかったのでそもそも受けませんでした。中期や後期の過去問については前期試験の後に急いで解きましたが、余裕のある人はもっと早い時期に解いておいた方がいいと思います。

 入学後、1限の必修授業が他の学部より多いことに驚きましたが、生活リズムが整うからまぁいいかな、と前向きに考えて過ごしています。創薬科学科は勉強に対する意欲が高い人が多めなので、同級生に刺激を受けて自分も勉強を頑張ろうと思えることがいいところだと思っています。

最後に

 九州大学の医療系学部では、人の命や健康に真摯に向き合う姿勢を基盤に、各専門分野の学びを深く追求できます。充実した研究施設が整っており、専門知識・技術を徹底的に学べる理想的な環境が九大の医療系学部の最大の魅力ではないでしょうか。