高1・高2のうちに、数学と英語を!
「九大生100人へのアンケート」では、1・2年生のうちに数学と英語をやっておくべき、という意見がたくさん寄せられました。九大では、共通テストでも二次試験でも数学・英語が必要ですが、3年生になってから受験勉強を始めるのでは遅い、というのが九大生の実感のようです。
大学受験の仕組みのおさらい
本題に入る前に、大学受験の仕組みについて見ておきましょう(知ってる人は読み飛ばしてくださいね)。
中学受験や高校受験と違って、国公立大学入試では「2つのテストの合計点を使う」んですね。
さて、3年生から受験勉強を始めても遅い、という話を冒頭でしましたが、それは
「1・2年生の勉強は、受験勉強の土台になる!」
と言い換えることができます。先に土台を固めておくことで、3年生になってから共通テスト・二次試験の本格的な対策(いわゆる受験勉強)にスムーズに移れるよ、ということなんです。冊子の後半の、九大入試の科目別分析のところでもお話ししていますが、どの科目も結局「まず基礎が固まっていることが大切」です。そして、基礎はほとんど1・2年生のうちに習っていることなんです。
では、具体的にはどんなふうに勉強しておくといいんでしょうか? まずは数学の勉強法から紹介します。
数学の勉強法
目標
定期テストレベルの問題※を、いつ出されても自力で解ける状態になる
「え、それだけ?」と思うかもしれませんが、大事なのは「いつ出されても」解ける、という点。
たとえば1年生のうちに習った確率の問題を、抜き打ちで「じゃあ今からこれ解いてみて」って出されても、何も調べずに解ける状態、という意味です。
やり方とポイント
- 毎回の定期テストを取っておいて、たびたび解いてみる
- わからないところ、手が止まったところを、教科書やチャート式などの解説が詳しいテキストで、 類題の解き方を調べる
- わからないところは質問をして、疑問を解消する(学校の先生、塾の先生、友達、先輩など)
- わからないところ、解けないところがなくなるまで繰り返す
ただし、公立の地区トップ校や一部の私立高では、定期テストにガチの入試レベルの問題(発展問題とか)が出題されることもあります。そういう場合は、教科書や傍用問題集には載っていない難易度の高い問題を除いてくださいね。
目標の達成時期の目安(高1・高2からこの勉強法をはじめた人)
・得意な人……2年12月まで
・苦手な人……3年7月まで
文系だろうが理系だろうが、九大は二次試験に数学必須だし、共通テスト(IA・IIBC)は全く同じ問題ですから、1・2年のうちにやるべきことはそんなに大きく変わりません。
続いては英語の勉強法です。得意か苦手かで、やるべきことがガラッと変わります。
英語が得意な人の勉強法
目標
日々の小テスト(単語・文法語法など)で毎回満点を取る
小テストや定期テストで暗記したことを長期記憶にする
……たとえば、テストや模試などで、すでに知っている語句の意味をすぐ思い出せる状態になる
やり方とポイント
- 単語と熟語の暗記 学校の単語帳でOK(学校のが嫌な場合は、好きな単語帳を1冊)
- 小テストの勉強は、前日や直前だけでは効果が薄い(長期記憶になりづらいから)ので、数日〜1週間前から毎日アウトプットの練習をする
- 頻繁に長文読解を解いて、覚えた知識を実際に使う練習をする
- 音読 手本の音声が聞けるものを使って、毎日やる
- さらにストイックに訓練するなら、
例文暗記 定期テスト範囲の例文を、日本語を見て英語にする練習
英語が苦手な人の勉強法
目標
英文を読むための文法を習得する
単語の意味を暗記する
やり方とポイント
- 中学時代から英語が苦手なら、中学英語の文法をやり直す。(簡単すぎるくらいのドリルでOK)
中学のころは特に英語苦手でなかった人は、次の項目からスタート。 - 構造分析の演習 これをやらないと、なんとなく雰囲気で英文を読むことになり、いつまでたっても正確に読めない。(詳しいやり方は冊子を参照)
- 単語の意味の暗記 単語帳でもアプリでも、毎日続けやすい方法で。
……単語を見て意味を思い出す練習をする
……スペル書き取りは後回し
……高校レベルが難しいと感じる場合は、中学レベルの単語の復習から - 音読を毎日する 手本の音声が聞ける、やさしい文(1学年下の教科書など)を使う
- 定期テストは細かな暗記が多いので、「赤点回避できればOK」と割り切る手もある
リスニング対策について
共通テストの英語は200点満点で、内訳はこのようになっています。
リーディング80分・100点 + リスニング30分・100点
(ただし、配点は学部によって異なります)
学校でもわりとリスニング問題を解いていると思うんですけど、大事なのはそのあとの復習です。一番いいのは、問題を解いた後に、音声を聞きながら音読・シャドウイングをすること。聞くだけでは効果が出にくいです。自分で発音しながら、音のつながりとか英語の抑揚のパターンを自分の中にストックし続けることが必要なんです。「この単語ってこう発音するんだ!」とか「この部分はこんなふうにつなげていうのか〜」みたいなことを実感しながら音読してください。
ちなみに、この記事を現役九大生に読んでもらったところ、
「リスニングは続けることが本当に大切だって伝えたいです! 信じて続けた人にはちゃんと聞く力がつく!」
と言ってました。がんばれ高校生!