ある日の冊子を作るためのミーティングにて、こんな話がありました。冊子では紹介できなかったエピソードなので、ここでその話を紹介します。

実行委員:「高3の春にD判定とかE判定でも、まだ間に合うのか」「D判定やE判定でも受かるのか」を知りたいという声がたくさんあるんですが、実際どうなんでしょうか?

児玉:高3の春にD判定ならまだ問題ないですよ。E判定は幅が広いのでまとめづらいですが、E判定の中でも、あと少しでDというケースなら、Dと同じように考えていいでしょう。
 高3の最初でD判定・E判定というのはまああることで、大事なのはそこからどう伸ばすかですね。私の知っている範囲では、夏の終わりから秋にかけてB判定やC判定に上がってくれば、合格確率は一気に高まります。

実行委員:実際のD判定の合格率ってどれくらいなんですか?

児玉:模試の結果表を見ると、たとえばD判定だと20-40%とか書いてありますよね。模試によって細かい数字は違いますが。で、統計的には概ねその通りになります。でも、入試はくじ引きじゃないので、「どうやってその20〜40%の側に入るか」を考えることのほうがずっと大事です。

実行委員:じゃあ、D判定とかE判定から受かる人って、どんな人なんですか? 共通点とかあるんですか?

児玉:あくまで私の観察の範囲で、ですけど、共通点ありますよ。なんだと思います?

実行委員:うーん……精神的に強い人。諦めずに最後まで努力できる人?

児玉:メンタルは確かに大事なことです。でもそれだけじゃありません。

実行委員:わからないことがあったらすぐ先生に聞くとか、聞いたことやアドバイスをすぐにやってみるとか。

児玉:それもありますね。つまり“素直さ”ですね。なんでも盲信するのは危険ですけど、「この先生の言うことは信じられる」と思ったら、迷わずやってみる、というような。そういう人は伸びます。自分のやり方にこだわるのは良し悪しあって、一般論としては解き方とか考え方には素直さとか柔軟性があった方がうまくいきやすいと言えそうです。だから素直な方が伸びやすい、とは言って良さそうです。
でもね、まだあるんですよ。もっと勉強そのものに近いところで。

実行委員:……なんでしょう?

児玉:そういう生徒に「復習ってなんのためにやってるの?」って聞いたら、みんな迷わず「次に解けるようにするためって答えた、です。

実行委員:(そういうものかなあ、という顔)

児玉:もしかして、次に解けるようにするために復習するなんて、当然じゃないかと思ってます?

実行委員:はい。そういうものじゃないんですか?

児玉:これがね、全く当然ではないんです。あなたにとって当然に思えるのは、自分がそれを日常的にやれていたからですね。だから受かったとも言えます。私の知る限り、実際には「復習は何のため?」と聞かれて即答できる人はまるで多くありません。
学校でもどこでも「復習しろ」とは言われても、なんのために復習をしているのか、復習の目標は何か、ということを教わる機会が少ないですからね。

実行委員:なるほど……。自分は“それが当たり前”だと思ってましたけど、違うんですね。

児玉:そうなんです。それに、一問一問の復習だけ見れば「それだけのこと」かもしれないですけど、それが長い間に積み重なって何百問分になると、目的意識がないまま復習をやっている人とはやっぱり大きな差になります。当たり前っていうけど、習慣の力って大きいんですよ。

(「模試の復習編」はこちら