2024(回答者 285人)

合格者平均点・問題難易度
● 例年に比べてかなり難化しました。合格者平均点は 64.2点/125点(n=285人) で、昨年より 12.4点も低下しています。
● 理論化学が大問2題ともかなり難しく、受験生があまりみたことのない話題を扱ったものや、受験生がやったことのなさそうな計算を指示に従ってさせるものでした。このことが難化の主要因と考えられます。
● 無機・高分子は標準的。一部難しい問題はありますが、典型問題が多かったのでここでしっかり得点できた人が合格に近づいたと考えられます。
● 有機化学はおそらく点数が割れた問題でしょう。得意な人、ハイレベルな知識まで持っていた人は高得点になったが、そうでないとあまり点が伸びなかったのではないかと推測されます。
● 分析者として個人的に驚いたのは有機化学。九大有機は決して簡単ではありませんが、従来はハイレベルな知識を前提としていない問題が多かったので、今年の有機化学を解いて「九大もこういう問題を出すようになったか」と思いました。とはいうものの、そのハイレベルな知識というのも『化学の重要問題集』などの一般的な入試問題集に収録されてはいる程度、と言えなくはありません(『化学の重要問題集』であればB問題(ハイレベル)に収録)。言い換えれば、従来、阪大・東北大などの「理科が難しい旧帝大」なら対策が必要、といわれていたくらい、のレベルの知識ともいえますので、急激に難しくなった、というほどでもないのは事実です。
とるべき点数・目指せる点数
※ 例年の難易度を想定して書いています。
● 医学部医学科:最低90点
● 薬学部:最低80点
● 化学は比較的得点しやすい科目です。そのため、医学部医学科や薬学部(特に臨床薬学科)を目指す受験生は、物理と同様に得点源としたい科目です。
● その他の学部では 75点前後 が基準。化学が苦手な人でも 50点程度は確保したいところです。一方で、得意な人であれば 100点越えも十分狙えます。
● 九大の化学は、同じ大問の中に標準問題とやや難しめの問題が混在しています。(実際に、2024年度は「問2より問3以降の方が簡単」という構成の大問もありました。)
標準問題を確実に正解し、さらに難しめの問題で +αの得点 を積み上げられれば、75点に到達できると考えられます。
2023(回答者 333名)

合格者平均点・問題難易度
高校生の知識では解答しづらい小問がいくつかありましたが、それ以外は標準的な難易度でした。結果として、合格者平均点は76.6点/125点(n=333人)であり、例年に比べて少し低いと考えられます。
